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名松線の事がちょっと掲載されてました。

 MSNから抜粋。


杉山淳一の時事日想:

 JR東日本は3月30日、岩泉線のバス転換方針を正式に発表した。そのプレスリリースには「鉄道として復旧することは断念せざるを得ず」とある。文面はこの種の報道発表としては珍しく「気持ち」がこもっていて、存続を願っていた地元に配慮した内容だ。また、断念に至った経緯として、岩泉線の営業収支なども詳しく説明されている。これも珍しいことである。

 岩泉線は岩手県の山間部にあるローカル線である。起点の茂市駅は、盛岡と三陸の宮古を結ぶ山田線の宮古寄りにある。終点の岩泉駅はその北東に位置する。路線の長さは38.4キロメートルで、東京―立川間。ハ37.5キロメートル。ヒ、新大阪―京都間。ハ39.0キロメートル。ヒとほぼ同じ。ただし運行本数は少なく、全線を往復する列車は朝1往復、夕2往復、区間運転が1往復だけだった。

グラフ「岩泉線の利用状況」:(http://bizmakoto.jp/makoto/articles/1204/13/news005.html)

 そして現在は運休中。2010年7月に全国で被害を出した集中豪雨により、押角駅―岩手大川駅間で土砂崩れによる脱線事故が発生した。その後の安全性調査により、沿線に88もの危険箇所が判明した。それから現在に至るまで、岩泉線はJR東日本によるバス代行運転が続いている。

 私は岩泉線に乗ったことがない。乗りたかった。復旧して欲しかった。そんな鉄道ファンも多いだろう。しかし、鉄道はファンのために走っているわけではない。地元の人々のために走っている。地元は鉄道の復活を望んでいるが、JR東日本としては今後もバス代行としていきたいという。それが今回の報道発表だ。

●乗車率が悪くても走らせた意味

 JR東日本が岩泉線の復旧を「断念」し、バス代行としたい理由は「安全運行のための復旧費用が130億円必要」と「JR東日本でもっとも利用者が少なく、運行しても赤字」だからである。報道では「赤字路線の運行は株主に説明がつかない」という発言もあったようだ。もっともらしい意見だが、鉄道は公器であり、地方ネットワークの維持運営も企業の社会的責任である。

 グループ全体で黒字であり、配当もきちんと実施されている以上、いくつかの路線で赤字であっても、それを不服とする株主は少ないだろう。もちろんすべての株主は利益を望んでいるが、社会的責任に価値を見出す株主だっているはずだ。

 ちなみに私もかつては1株のみを保有していた株主。上場当時の配当は3000円だったが、保有していたときは5000円に増えていた。それだけで満足していた。だから、赤字路線を挙げて「廃止してもっと配当を寄越せ」とは思わなかった。

 もっとも、ビジネスとしてみれば、1日平均わずか46人の利用者、毎年2億5700万円の赤字路線を維持してきたほうが興味深い。

 実は岩泉線はこれまで何度も廃止の動きがあった。岩泉線は戦時下にレンガの原料となる粘土を輸送するために建設された。つまり、もともと旅客利益を期待する路線ではなかった。戦後の輸送特需がなくなって、存在意義が薄れ、赤字がかさんだ。国鉄再建計画によって1984(昭和59)年に廃止対象路線となった。

 しかし、並行する国道の押角峠が急カーブの連続で、トンネルも普通車のすれ違いが困難。大型車は通行できないという理由で廃止対象から除外された。1996年にJR東日本は赤字を理由にバス転換を打診したものの、地元の強い反対で実現に至らなかったという。

 被災する前、岩泉線の1日当たりの利用者数は、JR東日本67路線のうち最下位の46人。66位は只見線の388人なので、岩泉線の利用者はケタ違いの少なさだ。JRグループ全体でも最下位。この3月に廃止となった長野電鉄屋代線の10分の1程度である。

それでも運行が続けられた岩泉線は“奇跡の存在”ともいえる。運行を維持できた理由は、母体のJR東日本に体力があったからにほかならない。前述したように全体的な黒字があり、私が株主だった頃も「赤字線の整理」は株主提案になかったと記憶している。岩泉線の存在意義は「企業の社会貢献活動の一環」という意味合いが強い。

 例えば、JR東日本は鉄道林の保存事業に着手している。風雪から線路を保護しており、現在は役割を終えた鉄道林の再整備は国土の環境維持に貢献するという。予算は20年間で約210億円。これに対して岩泉線の維持は本業の鉄道事業であるし、社会貢献という意味でも年間2億5700万円の費用は許容範囲だったといえよう。

●論点は安全確保の復旧費用

 さて、岩泉線のバス転換の理由として「安全運行のための復旧費用が130億円必要」と「JR東日本でもっとも利用者が少なく、運行しても赤字」が挙げられている。ただし上記のとおり、後者の理由はこれまでも存在し、許容されてきた。となれば、最大の要因は約130億円の復旧、安全対策費用である。年間2億5700万円は許容できるけれど、一時金の130億円は許容できない、ということなのだ。逆にいうと、130億円を誰かが負担してくれるなら、岩泉線バス転換は撤回してもらえそうである。

 JR東日本のバス転換の発表に対し、地元は当然ながら反対している。なにしろ並行道路の事情は全く変わっていない。トンネルは普通車でもすれ違えない。トンネルを迂回できる旧道も冬季は閉鎖されてしまう。

 岩手県知事は「鉄道廃止を前提とした話し合いには応じられない」とし、JR東日本が説明する「復旧費用130億円」を独自に検証すると表明している。これも深読みすれば「鉄道復旧の話し合いには応じる」となろう。論点は復旧費用を誰が負担するか、である。



●名松線は地元の負担で復活予定

 例えば、岩泉線と同様に被災し、一時はバス転換と提案されながらも、鉄道復活が決まった路線がある。三重県の名松線である。起点は三重県松阪市、紀勢本線の松坂駅。終点は三重県津市の伊勢奥津駅。距離は43.5キロメートル。このうち、家城駅―伊勢奥津駅間の17.7キロメートルがバス代行運転となっている。原因は2009年の台風被害だ。

 名松線も岩泉線と同じく1984(昭和59)年に廃止対象路線となったが、やはり岩泉線と同じく周辺道路の整備がないとして廃止を免除された。

 この名松線末端区間の場合も、線路だけ復旧しても、いつ新たな災害・事故が起きてもおかしくない。安全を保証できないとして、JR東海によりバス転換が表明された。バス代行区間の輸送人員は1日当たり平均90人。地元は鉄道復旧を要望した。復旧費用は明らかにされなかったものの、2011年に三重県、津市、松阪市、JR東海が協定を締結し、2016年を目標に鉄道を復旧させる。また、復旧後も危険箇所の整備は地元自治体が担うという。

 岩泉線の復旧については、この名松線の前例が効いてくるだろう。もっとも、対象となる区間の距離、輸送人員、復旧費用などの事情が異なる。最大の違いは、宮古市が東日本大震災で被災しており、こちらの復旧費用も巨額で、岩泉線にどれだけ予算を回せるか、という問題がある。終点の岩泉町にしても、まだ豪雨被害から復旧できていない。

 130億円を負担できない、とJR東日本が表明した以上、次の展開は自治体側の決断になる。岩手県、宮古市、岩泉町の動向が注目される。

 しかし私はJR東日本の被災路線について、国がもっと積極的になってほしいと思う。JR東日本は東日本大震災の被災者でもあり、被災したにもかかわらず、新幹線復旧に心血を注ぎ、しかもその運賃は大幅に値引きして、被災者の避難輸送、ボランティアの輸送に協力してきた。


しかも、原発停止による電力不足の夏に、首都東京に電力を供給した。国の危機を救ったともいえる。これだけのことをしてくれた会社に対して、国から「形の見える見返り」があってもいいのではないか。

[杉山淳一,Business Media 誠]

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この記事へのコメント

名無氏之助 : 2012/12/01 (土) 15:24:41

松阪市の名松線区間は、松阪駅~権現前駅と伊勢八太駅へ行くまでの区間で当該被災エリアは松阪市とは関係ありません。

復旧費用は、三重県(治山工事)5億円・津市(治水工事)5億円・東海旅客鉄道(JR東海:線路等)2億円かかるそうです。

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2012.04.17

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